6月21日(日)放送の「情熱大陸」に建築家・建築史家の藤森照信さんが登場します。
初めて見る建物なのにどこか懐かしい、自然と一体となった不思議な建築作品を手がける藤森照信さん。
今までの経歴や作品、話題の「タンポポハウス」についてもっと知りたくなりました!
今回は、藤森照信さんについて迫っていきます!
藤森照信(建築家)の経歴は?

まずは、藤森照信さんのプロフィールをチェックしてみましょう。
- 名前:藤森 照信(ふじもり てるのぶ)
- 生年月日:1946年11月21日(73歳)
- 出身地:長野県諏訪郡宮川村(長野県茅野市)
- 学歴:東北大学→東京大学大学院
藤森照信さんは東北大学では工学部建築学科を専攻。
東京大学大学院では東京大学生産技術研究所で近代日本建築史を研究します。
その後、近代洋風建築の調査を行うかたわら、エッセイや論文を発表し、1985年には東京大学生産技術研究所の助教授に就任します。
そして、1991年、藤森照信さんが45歳の時に長野県茅野市にある「神長官守矢史料館」で建築家としてデビューします。
その後も藤森照信さんにしか表現できない、数々の建築を発表。
2006年には、イタリアの「第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展」で日本館のコミッショナーに抜擢されます。
東京大学にも勤務を続け、2010年に工学院大学教授に就任。2014年の定年退職まで務め、2019年からは非常勤特任教授に就任しています。
2016年からは東京都江戸東京博物館館長に就任。
江戸東京博物館、いつ訪れてもとても面白い博物館ですよね。
藤森照信さんが館長と知って驚きました!
建築史家でもあり、建築家でもある藤森照信さんは、今まで多くの賞を受賞しています。
- サントリー学芸賞(エッセイ「建築探偵の冒険・東京篇」・1986年)
- 日本芸術大賞(文学賞「赤瀬川原平氏邸に示されたゆとりとぬくもりの空間創出」・1997年)
- 日本建築学会賞(論文「明治の東京計画」「日本の近代建築」・1998年)
- 日本建築学会賞(作品賞・熊本県立農業大学校学生寮・2001年)
そして、2020年の今年、建築「ラ コリーナ近江八幡 草屋根」で日本芸術院賞を受賞し、ますます藤森照信さんの作品が注目されています。
経歴をチェックしただけでもこんなすごい人が日本にいたなんて…とクラクラしてしまいますね!
藤森照信(建築家)の有名な作品は?

近代日本建築史を研究していた藤森照信さん。
近代建築といえば、やや無機質で機能的、シックであったり、モダンな印象がありますよね。
しかし、藤森照信さんの手がける建築は、どれも自然と一体になった、どこか原始的なものを感じさせるもので、どの作品も驚きを覚えます。
それでは、ここで藤森照信さんの有名な作品の一部をご紹介しましょう。
◇神長官守矢史料館(長野県茅野市)
処女作でありながら、たちまち大注目された「神長官守矢史料館」。
この建物は、江戸時代まで諏訪大社上社の神長を務めていた守矢家の史料が展示されている史料館です。
子孫である守矢早苗さんと藤森照信さんが幼なじみであるという縁から、茅野市から依頼されたものでした。
神長官守矢史料館の柱にささる
諏訪大社の御神体「薙鎌」
鳥のような不思議な形!〜茅野市 pic.twitter.com/jZDbJpLHLS
— 小山芳姫@ツイッター絶不調中! (@1000Roku) September 16, 2017
鉄筋コンクリート造ですが、周囲の自然に溶け込むように、自然素材であるサワラの割板の外壁、諏訪産の鉄平石の屋根があしらわれています。
屋根からは4本のイチイの木が飛び出し、まるで建物ごと地面から生えてきたような錯覚もする不思議な史料館です。
◇高過庵
神長官守矢史料館からほど近くにある「高過庵」。
2本の栗の木の上に乗っている、高さ6mのツリーハウスのような茶室です!
この高さと建物に対しての木の細さ、絶妙なバランス感覚です。
子どもの頃、こんな秘密基地に憧れたなぁと思い出してしまいました。
◇ラ コリーナ近江八幡

2020年、日本芸術院賞を受賞して話題になった「ラ コリーナ近江八幡」。
滋賀県近江八幡市にある複合施設で、芝の三角屋根の草屋根が特徴です。
屋根からのぞく四角の屋根が可愛らしさに癒されます。
ラ コリーナ近江八幡一帯が、まるでファンタジーの世界に入り込んだかのような空間です。
建物の中は、たねやグループの和菓子やカステラ、フードが販売されており、周辺の自然も楽しめるツアーもあります。
ぜひ訪れて、自然と調和した建物とグルメを楽しみたいですね。
他にも、浜松市秋野不矩美術館、ラムネ温泉館、ねむの木こども美術館どんぐり等々、かわいらしい温もりにあふれた建物が数多くあります。
全国に点在する藤森照信さんの建築物ツアー、一度やってみたいと思うのは私だけではないはず!
藤森照信(建築家)のタンポポハウスに注目!

数々の建築物を生み出してきた藤森照信さんですが、自身も不思議なハウスに住んでいるとのことで、チェックしてみました。
もちろん、設計デザインは藤森照信さん自身。
自邸の名前は「タンポポハウス」です
たんぽぽが生えた「たんぽぽハウス」 1995年 藤森照信 pic.twitter.com/jMj0Au03f8
— アート・絵画・美術@スマホケース販売中 (@art_matomen) March 3, 2020
なんと、とがった屋根の上に、帯状にタンポポが植えられているのです。
かつて、藤森照信さんは、美術家で作家の赤瀬川原平氏邸「ニラハウス」を手がけ、その屋根にはニラが植えられており、話題になりました。
このタンポポハウスは春になると屋根の上のタンポポが芽吹いて黄色い花が咲き、タンポポの綿毛が風に乗って飛ぶ家なのです。
絵本の中から飛び出したような、こんなメルヘンで素敵なハウス、いまだかつてあったでしょうか!
タンポポハウスやニラハウス、ラ コリーナ近江八幡の草屋根を見ていると、
自然の方が人間よりも優位に立つような感覚にとらわれます。
建物や家は、人間の居住などのために造られるもので、自然(植物)は周辺の庭などに植えられているものという固定観念が覆されました。
もともと、人間も自然の中で生きている仲間であることを思い出させてくれる藤森照信さんの作品。
しかし、見た目に反して構造自体はとても機能的。まさしく近代建築なのです。
この近代と古くからある自然との融合が、藤森照信さんの建築の魅力ですね。
まとめとして
初めて見るけれど、ずっと昔に見たことがあったような感覚にとらわれる、新しくて懐かしい藤森照信さんの建築作品。
6月21日(日)放送の「情熱大陸」では、様々な建築物に取り組む藤森照信さんの姿が特集されます。要チェックですね!