テクノロジーの進化によって実現したテニスの判定補助をするホークアイ(Hawkeye)。
インかアウトかの判定を巡って、選手が再判定を希望することができるチャレンジで使用されています。
数ミリ単位までラインにかかっているかどうかが分かるため、導入前よりも正確な判定ができるようになった革新的なものでした。
ここでは、ホークアイ(テニス)の精度は100%なのか、設置費用や他スポーツでも導入しているのかを見ていきます。
ホークアイ(テニス)の精度は100%?
3Dカメラによって瞬時にコンピューターで解析して判定を映し出すホークアイですが、その精度は100%なのでしょうか?
ハイスピードカメラでとらえる映像は、1秒間に60コマの画像を撮影しています。
ただし、ほんの少しだけ誤差があり、最大で3.6ミリのズレが出る可能性があるといいます。
さらにコンピューター制御であるため、エラーが起こらないとも言い切れません。
例えば、2017年に開催されたロジャーカップで、チョリッチが放ったボールがアウトと判定された場面でハプニングが起きました。
チャレンジによって映し出された映像には、ボールが映らず実況も思わず笑ってしまうほどだったのです。
結局は、制御室に確認を取りインと判定され、対戦相手だったナダルも納得のいかないシーンとなったのでした。
また、別の試合では完全にアウトの映像にもかかわらず、インという表示が出てしまうエラーも起こっています。
100%ではないということが明らかになってしまいましたが、それでも99.9%以上の正確さがあるとも言われ、今はなくてはならないシステムとなっています。
ホークアイ(テニス)の設置費用!
コートの周りに10台の高性能カメラを設置しているため、その設置費用も気になるところです。
1コートに対して1週間使用したとした場合、約2,000万円もの費用がかかるとされています。
そんな高額でも設置されるのは、やはりフェアな試合を届けることに意味があるからなのでしょう。
しかし、全仏オープンに関しては頑なに導入を拒否し続けているんですよね。
四大大会で唯一クレーコートで行われるため、ボールの跡がくっきり残るから大丈夫という理由のようです。
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審判の目を信じて試合が進められますが、たびたび誤審と思われる判定が下っているという問題があります。
2020年大会からは照明と屋根をようやく設置しましたが、時代遅れという指摘も選手側から起こっています。
設置費用がもったいないと思っているのかは分かりませんが、2021年以降に取り入れられるのか注目が集まります。
ホークアイ(テニス)は他スポーツでも導入!
テニスだけではなく他のスポーツにもホークアイは導入されていますが、いずれも審判の目に限界がある競技が多い印象です。
例えばバレーボールのように、2つのコートに別れて行うスポーツでは日本のVリーグでも採用されています。
ちなみに、ホークアイを最初に導入したのはクリケットでしたが、公式の試合では導入せずトレーニング解析に使用したとされています。
サッカーも導入を検討した過去があり、2013年にイングランド、2015年にドイツで使用された実績があります。
ホークアイを開発したホークアイ・イノベーションズの親会社であるソニーでは、映像解析を20以上の競技で採用してきました。
ホークアイだけでなく、野球やアイスホッケー、ラグビー、競馬など、様々なシーンで映像解析が活躍しているのです。
まとめとして
ホークアイはテニス以外にも多くのスポーツで採用され、現代においては欠かせないシステムとなっています。
珍プレーなどとして過去の誤審を取り上げられることがありますが、選手も審判も納得できる判定となったほうがいいはずですよね。
とりあえず、全仏オープンには考え直してもらい、次回からの導入に期待したいものです。